PC上でデザインされた印刷文字や イラスト が多く使われており、一見すると画一的に捉えられがちです。
ありふれたデザインを見慣れた人には没個性的とか迫力が感じられないかもしれません。
そこで書道の伝統的な 習字 をアレンジした文字やイラストをデザインに取り入れた手法はどうでしょうか。
迫力が伝わる!習字によるイラスト
文字やイラストのデザイン手法
コンピュータの発達によりイラストの作成は容易にだれもが一定のレベル以上のものを作成できるようになってきました。
ソフト面では充実してきたのですが、一方でそうしたでき合いのソフトやアプリをそのまま使用してできたものは画一的、没個性的とみられるむきもあります。
どうしてもソフトの機能の範疇では制約があります。そこからできたデザインではあっても、元をたどれば同じものからの派生物に過ぎませんから、その見方にも一理あります。
没個性的で味気ないと感じとられることが、アピールの必要な広告やポスターなどでは他と差別化して一歩先へ抜け出そうと意図する場合には差をつけにくいかもしれません。
デザインする側にとっては慣れ親しんでいるはずのデザインから主張が強く伝わってこないということは、デザインの世界においては致命的にもなりかねません。
そこでたとえば手書きやクレヨンで描いたようなイラストや文字を「手書き風」と称してPC上で描けるものが登場し、かなりの洗練されたレベルの表現が可能になっています。
その延長線上には今回示すような習字によるイラストがあります。
もちろんこれまでもフォント文字としての墨字や相撲文字などは存在していました。
もちろんそれはそれとして使用するに問題はないのですが、それを一歩進めてイラストそのものに利用します。
これは言ってみれば、和紙や絹の上に描いていた書や墨絵などの日本画の独特の風合いをPC上で用いる文字やイラストに使おうという考え方です。
それにより独特の風合い、迫力、ならびに勢いをデザインに付加しようというねらいがあります。
PCソフト上での再現
墨字や和紙のような風合いの下地に文字を置くといったコマンドをイラストレータ上で再現してみましょう。
出来合いのコマンドの中でそれにふさわしい適合するものを選び組み合わせてみます。
すると場合によっては習字の筆を用いたような輪郭線やかすれぐあいを再現できるでしょう。
せっかく習字のようなデザインをめざすのですから、迫力のある墨をたっぷり含ませたような輪郭線を描けるかどうかチェックしてみます。
そののち、ねらいのイラストへその要素を当てはめてみます。ねらいどおり意図したようになるまで試行錯誤を繰り返します。
墨独特のにじみやぼかしといった風合いもなるべく再現してみます。
このような手法により習字を用いたデザインを文字やイラストに新たなアレンジとして用いることができるようになります。
あくまでもねらいは習字の持つ独特の筆づかいによる黒々とした迫力や存在感です。それをイラストに付加してそれまでにない質感や量感を表現するわけです。
そのねらいどおりのデザインができているかは出力してみるとよくわかります。
出力してみよう
インクジェットプリンターの場合には黒の調子を注意深く選択して、出力する紙素材は最良のものを選びます。
場合によっては樹脂製の光沢を調整した素材に対して出力すると和紙や絹の風合いを再現できる可能性があります。
このように意図したデザインをPC上で再現することは手書きの作品を1枚だけ作る以上の手間と時間が必要になることがあります。
それだけ日ごろから習字のもつ特徴を同時につかんでおくことがたいせつです。
習字のもつ黒々とした迫力や水墨画の墨色だけでの多段階の階調のすばらしさを導入したデザインにはそれだけ独特のものが生まれてくるに違いありません。
伝統的な素材ではありますが、むしろ未来的な洗練度の高いデザインとして新たな視点が加えられることでしょう。
まとめ
迫力が伝わる!習字によるイラスト
文字やイラストのデザイン手法
PCソフト上での再現