「音色」と言われるように、同じサックスという楽器でも、演奏者やその他さまざまな要因で音が変わります。最近はカラフルなサックスもありますが、 楽器本体の「色」でも音に違いがでます。
サックス の 色 は、素材や塗装によって違ってきますから、サックスの色と音は関係します。
サックスの色と音の関係
サックスの見た目と色
サックスブルーという色がありますが、最近では、実際に、青いサックスや赤いサックスなどカラフルな楽器が販売されています。ですが、サックスといえば、やはり金色をイメージするのが一般的でしょう。
ただ、同じ金色でも、黄色がかった金色、赤味が入った金色、ダークな金色など色合いが違います。また、シルバーのサックスも見かけます。
それでは、見た目と音色は関係があるのでしょうか。キラキラした金色は華やかな音、ダークな金色は渋い音、シルバーだとまろやかな音というふうに見た目のイメージと音は大抵一致するという評価が多いです。
「このサックスからこんな音が?」と驚くこともありますが、サックスの色と音は関係しています。それは、サックス本体の素材と塗装によって色が違ってくるからです。素材と塗装は、楽器を吹いた時の息を音に変える「振動」のし方に関わっています。
サックスの素材による色と音
一般的なサックスは真鍮素材です。真鍮は合金で、銅が混ざっています。これをブラスと言いますが、メーカーやモデルによって配合が違い、その配合の割合で色がかわってきます。
明るめで黄色が強いものはイエローブラス、イエローブラスより落ち着きがある金色はゴールドブラス、赤みが強いものはレッドブラスと呼ばれます。銅の割合が大きいほど赤味が強くなります。同じ真鍮でも、上記のように、音の明るさが違います。
また、比較的新しく使われるようになった素材にブロンズがあります。これは銅と錫の合金です。ブロンズ素材のサックスは落ち着いた渋めの音だと言われています。
そして、音に独特のまろやかさと透明感があるのがシルバー素材のサックスと言われていますが、シルバー素材は真鍮に比べて重いですし、高価です。
また、銀は真鍮より加工が難しいとも言われます。そのため、銀色でも素材は真鍮で塗装がシルバーというサックスが多いようです。
それから、かなり高額になりますが、金素材のサックスもあります。最近よく見かけるようになった青やピンクといったカラフルなものは真鍮素材のカラーラッカー仕上げです。
サックスの塗装による色と音
素材によっても色が違いますが、サックスは塗装(またはラッカー仕上げ)されていますから、それによっても色が変わります。
ラッカー仕上げをすることにより音の通りがよくなります。ゴールドラッカー、シルバーラッカー、イエローラッカー、カラーラッカーなどいろいろあります。
また、素材の色を活かしたい人は無色のクリアラッカーもあります。キラキラが好みでない場合は艶消し、渋さを求める人はアンティークフィニッシュなど仕上げ方でも見た目が変わってきます。
どの色でもラッカー仕上げをすることで音の通りがよくなるのですが、黄色味が強いほど明るく軽快な音になります。茶色っぽいダークな色が強くなるとジャズ向きの渋い音になります。反対に、ラッカー仕上げをしない「アンラッカー」と言われるサックスもあります。
前述のように、ラッカー仕上げによって音の通りがよくなりますから、アンラッカーのサックスはくぐもったような音になり、音が遠くに飛びません。
また、変色して艶が消えていきますから、渋さを求める人にはアンラッカーが人気です。ラッカー仕上げをしない分、値段が安いのではないかと思いますが、実はその逆で、ラッカー仕上げが施されたものより高価なことが多いです。
それは、アンラッカーのサックスが演奏者に渡るまで(購入されるまで)は製造されたばかりの艶を維持する手間がかかるからです。
まとめ
サックスの色と音の関係
サックスの見た目と色
サックスの素材による色と音
サックスの塗装による色と音