茶道 は習得に何年もかかり、難しいというイメージが先行して、教室に通うきっかけがないかもしれません。ですが、旅行先でお寺を見学したときやデートで日本庭園を訪れたときなどにお茶をいただく機会はあるはずです。
そのようなときに困らないようお茶をいただく側の基本的な 作法 は知っておきたいものです。
これだけは押さえておきたい茶道の作法
流派による作法の違い
表千家と裏千家は誰もが耳にしたことがある流派の名前かと思います。その他にも武者小路千家など実は数多くの流派があります。
今は茶道教室へ行かなくても、カルチャースクールなどで茶道を習うことができますが、そのようなスクールの場合は表千家か裏千家の作法を教えていることが多いようです。また、茶道人口の半分以上は裏千家とも言われています。
そのような流派ですが、細かな動きにいたるまで作法にはさまざまな違いがあります。それはお茶を点てる場合だけでなく、立ったり座ったりの立ち居振る舞いからお茶をいただく側の作法にいたるまで全てに関係してきます。
前述のように茶道の習得には何年もかかりますが、旅先などで恥ずかしい思いをしないように、基本的な作法を知り、見苦しくない程度の動作でおいしくお茶をいただきたいものです。
座る位置
まず、お茶室は床の間を挟んでお茶を点てる亭主側とお茶をいただく客側にわかれます。そして、客側は床の間に近い方が上座になります。床の間に一番近い席は正客と言って主賓が座るところです。ですから、床の間から一番離れたところが末席ということになります。
ただ、自分は何も知らないからと末席に座るのは避けたほうがいいと言われています。それは、末席はお菓子の器などを亭主に戻す役割をする場所になるからです。
旅先のお寺や日本庭園でお茶室に入った場合はお菓子やお茶碗の上げ下げは係の方がやってくださいますし、座るところも並んだ順で通されて選択の余地はないことがほとんどですが、お客様とお茶室を訪れた場合などに備えて、自分のほうが上の席についてしまったということがないように座る位置は知っておいたほうがいいでしょう。
大まかな流れ
席についたら、お茶を楽しむことになりますが、流派に関係なくお茶をいただく時の流れは「お菓子をいただく→お茶をいただく→茶碗を楽しむ」という3つのステージにわかれます。
その日、お茶をいただくとわかっている場合は、懐紙を持参して行くと、大人のたしなみを身につけていると好印象を持ってもらえるかもしれません。懐紙はお菓子を載せたり手を拭くために使います。
また、お茶室では長いスカーフやネックレス、腕時計などははずすことになっています。茶碗を倒したり、高価な茶碗に傷をつけたりしないためです。
お茶の飲み方
季節にちなんだ可愛らしいお菓子をいただいた後はいよいよお茶を飲む段階に入ります。通常は上座からお茶が出されて順番にいただいて行くことになりますが、今回は旅先などでお客様全員に同時で出されたと過程します。
まず、お茶を点ててくれた亭主に挨拶をしますが、よく知られている「お手前頂戴いたします」という言葉は流派によって言ったり言わなかったりします。表千家は言うそうですが、流派がどちらかわからない場合は会釈だけするのが無難です。
そして、右手で茶碗をとり左手にのせます。次に茶碗をまわしますが、右まわしか左まわしかも流派によって違います。また、まわす回数も流派により異なります。
ただ、茶碗をまわすのは茶碗の正面を汚さないためです。お茶が出されたときは茶碗の正面が自分の方に向いていますから、そこを自分から離すように90度くらいまわすのが作法と言われています。
次にお茶を飲みますが、何口で飲みきるかも流派によって違います。ですが、最後にずずっと音をさせて飲みきるのは共通のようです。飲み終わったら、口をつけた部分を指で拭きます。懐紙を持っていたら、その指を懐紙で拭きます。
そして、また茶碗をまわしますが、正面を出された時の位置に戻すのか、亭主側に向けるのかは、また流派によって違います。
飲み終わったお茶碗を置くと係の方が茶碗を下げに来るかと思います。そうしたら、最後にもう一度会釈をします。この基本の流れがわかっていると落ち着いてお茶を楽しむことができるでしょう。
まとめ
これだけは押さえておきたい茶道の作法
流派による作法の違い
座る位置
大まかな流れ
お茶の飲み方