「ルールを正しく把握していますか?剣道上達を目指す人へ(前編)」では、剣道の主なルールをご紹介いたしました。後編では、 剣道 の ルール として勝敗の決し方や禁止行為についてお伝えいたします。
剣道は武道の精神にもとづくスポーツです。美しい太刀筋と相手に立ち向かう強い姿勢を持つと同時に、相手を敬う気持ちがなければなりません。
ルールを正しく把握していますか?剣道上達を目指す人へ(後編)
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勝敗の決し方
試合は原則的に3本勝負です。試合時間である5分のあいだに2本先取した人が勝利となります。なお1本取ったあとにそのまま試合時間が終わった場合は、その1本とった人が勝ちというルールになっています。
延長戦になった場合は、どちらか一方が先に1本取った時点でその人の勝ちとなります。3分の延長戦でも勝敗が決まらなかった場合は、判定での勝敗決定か、引き分けという形になります。
剣道の1本取るというのは、相手にしかるべき有効打突を行うということです。この有効打突は全日本剣道連盟で『充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるもの』と定められています。
充実した気勢とはしっかりと声を出して相手に立ち向かい、そして打突時に実際の打突部位と同じ呼称を言えているかどうかによって判断されます。
また適正な姿勢、すなわち打突の方向と身体の方向が合っていることも、審判側にその打突を有効と認めさせるために欠かせません。
竹刀の打突部は、物打と呼ばれる刃部(弦の反対側)の中でも、中結から剣先というおよそ三分の一の長さの部分を指します。
刃部の方向と実際に打突部を振る方向が一致してはじめて、刃筋が正しいと認められるのです。なお打突部位は、大きくわけて「面」「小手」「胴」「突き」の4つです。
また打突後はいつでも相手の反撃に対応できるように構えを怠ると、残心あるものと判断されずに有効打突とはなりません。最後まで油断をしないこともまた、1本を取るために必要な姿勢なのです。
禁止行為
剣道では禁止物質の使用と所持、および審判員または相手に対して非礼な言動をすると、相手に2本が与えられます。禁止行為を犯した人に退場を命ずるという非常に厳しいルールとなっています。
剣道において定められている禁止行為の中でも、定められた以外の用具の使用、相手を不当に場外に出す、不当な中止要請をするといった行為も、相手に2本が与えられて、犯した人はその場で負けとなります。
相手に足をかける、はらうといった行為も2回犯した時点で空いてに1本が与えられます。試合中に場外に出る、自分の竹刀を落とすといった行為も禁止行為となっていますが、有効打突の取り消しなどによって反則と判断しない場合もあります。
剣道は武道の精神にもとづくスポーツです。美しい太刀筋と相手に立ち向かう強い姿勢を持つと同時に、相手を敬う気持ちがなければなりません。全日本剣道連盟で定めている禁止行為というのは、主に相手を侮辱する行為と認めざるをえないものです。
どんなに優れた技術を持っていたとしても、そうした精神がなければ決して上達者と呼ばれることはありません。だからこそ剣道に励む人はぜひこれらのルールを知って、日々の稽古に励むようにするのが大切なのです。
まとめ
ルールを正しく把握していますか?剣道上達を目指す人へ(後編)
勝敗の決し方
禁止行為