「イラストレーターが重視するトリミングの役割とは(前編)」では、トリミングの基礎知識についてご紹介いたしました。後編では、空間を上手く使ったトリミング方法や画像に意味を持たせるトリミング方法をご紹介いたします。
イラストレーター は、どのような トリミング をしているのでしょうか。
イラストレーターが重視するトリミングの役割とは(後編)
空間を上手に使ったトリミング
次にイラストをトリミングすることで意図的に空間を作り出し、そのイラストの持つ意味を引き出すことができます。
人や動物がどこかを見ているイラストを描いたとします。この場合その人や動物にだけ焦点を当てるようにしてトリミングを行うとみている側からのイメージとしては人や動物がその方向を見ているというイメージを持つことになります。
これに対して、その人や動物の視線の先にわざと何もない空間を作るようにトリミングを行うことで見ている側に、その視線の先に何かがあるようなイメージを持たせることができます。
また視線の先に空間を作ることでそのイラストのデザインとしてのまとまり感が生まれるため、構図としてもより良いものを作ることができます。
画像の意味を強めるトリミング
トリミングは多くの人がイメージするように四角い形にトリミングするだけではなく、イラストに合わせてさまざまな形にトリミングすることができます。
これを使ってトリミングの中でも「裁ち落とし」や「切り抜き」と呼ばれるトリミングの手法を使って同じイラストでも見ている側に違った印象を与えることができます。
「裁ち落とし」とは対象物の全体像をトリミングするのではなく、あえて一部分だけをトリミングする手法のことを言います。
これにより同じイラストでも見ている側の焦点を一点に集中させることができるため迫力のあるイラストが出来上がります。
これに対し「切り抜き」は対象物の輪郭に合わせてトリミングすることを言います。
トリミングしたものを他のイラストと合わせたり、背景だけを明るい色や暗い色にするだけでも見ている側からはポップな印象やシックな印象を同じイラストに対しても与えることができます。
トリミングは元のイラストのイメージを手軽に変えることのできる手段です。細かいところまで手を加えることができるので自分独自のイラストを作ることができます。
イラストを描く人はトリミングをした際の空間などもイメージしながら描くとより良いイラストができるでしょう。
まとめ
イラストレーターが重視するトリミングの役割とは(後編)
空間を上手に使ったトリミング
画像の意味を強めるトリミング