多くの人が目にしたことのあるアニメやポスターで描かれているイラストですが、それらの多くは イラストレーター によって描かれています。
イラストは原画を書く際さまざまな大きさの紙に描かれますが、その際 トリミング が重要になります。トリミングによって作品の出来は変わるものです。
イラストレーターが重視するトリミングの役割とは(前編)
トリミングとは?
トリミングはもともと「trimming」がカタカナ表記になったものであり、「刈り整えること」という意味があります。
このトリミングという言葉はイラスト以外にもペットの手入れに使ったり、ダイビングなどでも使われたりとさまざま意味を持っています。
その中で画像やイラストに対して使われるトリミングは、画像やイラストの一部だけを切り取る処理のことを言います。別名としてクロップと呼ばれることもあります。
イラストを描くとき最初からデジタルデータとして描くものもあればアナログで用紙に書き出すものもありますが、最終的にはコンピュータの中に取り込んで加工を行います。トリミングはほとんどの場合データ化されたイラストに施されます。
トリミングと言われてよく誤解されるのがリサイズですが、トリミングとリサイズの違いは画像の要素に影響を与えるかどうかということです。
リサイズは単に画像のサイズを変化させるだけなのに対しトリミングは画像のアスペクト比を変化させたり、余計な写り込みを排除したりとイラストそのものを加工します。
そのためトリミングを行うことでイラストや画像の構図を調整することができるので非常に重要な作業になります。
トリミングの基本
トリミングが重要だということがわかっていただけたところでトリミングの基本について説明します。
トリミングがリサイズとは違うことができるとはいえ、基本的に行うことは画像を切り出すことです。この切り出し方によってそのイラストや画像が持つイメージを鮮明にすることができます。
仮に、森や海などの景色を与えられた用紙全体に描いたとします。イラストの中には人や動物なども描かれているとします。
このイラストに対してトリミングをしなかった場合、空間を全体的に大きく使っていることになるため見ている人からすると「景色」をイメージしたイラストになっています。
トリミングする範囲を大きく取ることで空間を感じることができるイラストになるということがわかります。この際描かれた人や動物には焦点を与えていないため、見ている側は特に意識することはありません。
次に景色を含めながらも全体を見ていた時よりも人や動物などに焦点を当ててトリミングをしたとします。こうすることで最初よりも人や動物に焦点が当たっているため見ている側は最初よりも人や動物を意識するようになります。
それに加え景色についても含んでいるので「人と景色」をイメージしたイラストになります。
最後に焦点を人や動物に当てて景色をほとんど入れないようなトリミングをしたらどうなるでしょうか。
この場合見ている側は焦点が当たっている人や動物を意識せざるを得ないため「人や動物」をイメージしたイラストだと解釈するようになります。
まとめ
イラストレーターが重視するトリミングの役割とは(前編)
トリミングとは?
トリミングの基本