取得しやすい国家資格として注目を集めているFP技能検定。とくに、合格率が高く『技能検定の入門』と言われる3級は、近年人気の資格です。 FP 3級 の資格を取得するには、学科試験と 実技 試験、両方に合格しなければなりません。
ここでは、実技試験にフォーカスして、詳しくご紹介したいと思います。
3級FP技能検定の実技試験とは?
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実技試験は3種類。どれかひとつ合格すればOK!複数取得も可能。
FP3級の実技試験には3種類あり、そのうちのひとつを選択して受験します。学科試験の合格と、実技試験のうちの一科目の合格により、3級FP技能士と名乗ることができるのです。
学科試験と実技試験は、同じ日に受験することができます。このとき、どちらか一方のみ合格した場合には、『一部合格者』となり、一部合格証が発行されます。
一部合格者には、受かったほうの試験が免除される、試験免除制度があります。つまり、学科試験と実技試験に同時に合格しなくても、後日もう一方の試験を受けて合格すれば、無事にFP技能士の資格を得られるというわけです。
ただし、一部合格者の試験免除には期限があります。期限は、先に合格した試験の実施日の翌々年度末までとなっていますのでご注意ください。
なお、一度に複数の実技試験を受けることはできませんが、異なる試験日であれば、別の種類の実技試験を受けることも可能で、複数の実技試験に合格した場合には、それぞれの合格証書を取得することができます。合格証書には、合格した選択科目が記載されます。
3種類の実技試験、選ぶ科目によって異なる試験実施機関
FP技能検定の試験は、日本FP協会(日本FP)と金融財政事情研究会(金財)という、ふたつの異なる機関により実施されています。
学科試験については、問題の内容、合格基準などどちらの機関でも同じとなっていますが、実技試験については、それぞれの機関によって受けられる科目が異なります。
まず、日本FPで受けられるのは、『資産設計提案業務』と言う科目です。金財では、『個人資産相談業務』と『保険顧客資産相談業務』の2種類から受験することができます。
問題の内容や合格率、活かせる職業なども違ってきますので、どの実技試験を受けるかは、重要な選択となります。
日本FPで受験できる『資産設計提案業務』とは?
では、ぞれぞれの科目について、詳しく見ていきましょう。
まずは、日本FPで受けることができる、『資産設計提案業務』についてです。出題はすべて3択のマークシート形式で、問題数は20問、制限時間は60分。1問5点の計100点。合格基準は、100点満点中60点以上となっています。
そして出題分野は、A分野…ライフプランニングと資金計画、B分野…リスク管理、C分野…金融資産運用、D分野…タックス・プランニング、E分野…不動産、F分野…相続・事業継続、の6分野となります。
金財で受験できる『個人資産相談業務』と『保険顧客資産相談業務』
金財で受験できるふたつの科目は、5題の事例形式で出題されます。その5題それぞれに3択問題が3問ずつ、計15問。制限時間は60分。各題10点で計50点。合格基準は、50点満点で30点以上となります。
出題分野は、『個人資産相談業務』については、前述した『資産設計提案業務』の6分野からB分野のリスク管理を除いた5分野、『保険顧客資産相談業務』では、C分野の金融資産運用とE分野の不動産を除いた4分野、となっています。
3種類の実技試験。それぞれの特徴とは?
3種類の科目のうち、日本FPで実施している『資産設計提案業務』と、金財で実施している『個人資産相談業務』には、いくつかの類似点があります。
まず、どちらもFPとして幅広いスキルが得られるという点です。年金・保険・金融・不動産・相続と、日本人の生活に直結した、さままざなお金の相談に応じるスキルを得ることができます。
次に、受験する人数が多いため、市販のテキストや問題集などが充実している、という点です。あとで触れる『保険顧客資産相談業務』をあえて受験する理由がない限り、一般的にはこのふたつのどちらかを受験するのが無難と言えます。
類似しているふたつですが、違いをあげるとすれば、出題分野が『資産設計提案業務』では6分野すべてであるのに対して、『個人資産相談業務』ではリスク管理以外の5分野しかないという点です。
ひとつ少ないだけですが、すべてを網羅するのは大変、という人や、どうもリスク管理の学習が苦手、という人は、『個人資産相談業務』を選択するのもひとつの方法かと思います。
残る『保険顧客資産相談業務』は、その名のとおり、保険分野に比重を置いた試験となっています。出題分野は、『資産設計提案業務』で出される全6分野のうち、『金融資産運用』と『不動産』以外の4つの分野からしか出題されません。
その中でも、『リスク管理(保険分野)』からの出題がかなりの割合を占めています。
保険会社に勤めている方、保険を取り扱う業務に就いている方、また、これからそのような仕事をしたいと考えている方は、この『保険顧客資産相談業務』を実技試験として選択することをおすすめします。
FP3級の実技試験、実際にどのような問題が出る?
『実技』というと、どうしても筆記以外の試験を連想してしまいがちですが、FP3級の実技試験は、学科試験と同様、いわゆる筆記試験です。ただし、学科試験と比べると、より実践的な問題が出されます。
学科試験では、学んだ知識がそのまま問われるような出題が多いのに対して、実技試験では、持っている知識を活用して、さまざまなモデルケースに対して、FPとしてどのようなアドバイスができるか、という点が問われます。
たとえば、とある家族のキャッシュフロー表が提示され、いくつかの空欄に入る適切な金額を選択肢から選ぶ、というような問題が出されます。
試験会場は電卓持ち込み可となっていますので、『計算ができるか』ということよりも、『どのように計算すればよいか』がきちんと理解できていることが重要です。
FP3級の実技試験を受けるにあたっては、単なる知識だけではなく、問題を解くための正確な情報と応用力が必要と思われます。
まとめ
3級FP技能検定の実技試験とは?
実技試験は3種類。どれかひとつ合格すればOK!複数取得も可能。
3種類の実技試験、選ぶ科目によって異なる試験実施機関
日本FPで受験できる『資産設計提案業務』とは?
金財で受験できる『個人資産相談業務』と『保険顧客資産相談業務』
3種類の実技試験。それぞれの特徴とは?
FP3級の実技試験、実際にどのような問題が出る?