他の多くの楽器と違って、ドラムには音階がありません。どのように譜面にするのかと不思議に思うかもしれませんが、 ドラム の 楽譜 は通常の五線譜に書かれています。仕組みを覚えてしまえば、初心者でもかなり短い期間で曲がたたけるようになります。
楽譜がわかればドラム初心者でも曲がたたける
ドラムセットをイメージして楽譜を見る
ドラムの楽譜にはヘ音記号の五線譜が使われています。他の多くの楽器の譜面と同じように音符が記されていますが、ドラムには音階がありませんから、その音符の音をだすわけではありません。各音符はドラムセットの何をたたくのかを示しています。
ドラムの楽譜では、ドラムセットの下のほうにあるバスドラムやフロアタムは五線譜の下段部に、上のほうにあるハイタムやシンバルは上段部にきますから、ドラムセットの各パーツの位置と照らし合わせるとわかりやすいです。
五線譜の下2本線の間(音階ではラにあたる)にある音符はバスドラムです。そして、その次の下から2本目と3本目の線の間(音階ではドにあたる)はフロアタムです。真ん中の線と上から2本目の線の間(音階ではミにあたる)はスネアになります。
その次に、上から2本目の線上(音階ではファにあたる)に書かれている音符がありますが、これはロータムのことです。最後が上2本線の間の音符ですが、これはハイタムです。
これがドラムの楽譜の基礎になりますが、通常の音符以外にバツ印で書かれた音符もあります。それらはシンバルの動きです。
ドラムの楽譜はまだ世界的に統一されていないため、作成者によって違うことがときどきあります。ですから、注釈に目を通したり音源をよく聞くことが大切です。
表記を覚えてドラムの楽譜をより正しく理解する
ドラムセットはいろいろな楽器の集まりですが、楽譜の最初や途中で音符が入り混じって一目ではわかりにくいところなどに、どの楽器のことかわかるように名称が書かれている場合があります。各楽器の名称の表記は英語の短縮形が一般的です。
バスドラムは「B.D.」、スネアドラムは「S.D.」、シンバルは「Cym.」などです。また前述のように、通常の黒丸がつかわれた音符以外にバツ印をつかった音符などもあります。
音階だとミの音にあたる部分に書かれているのはスネアですが、そのスネア用の音符に斜め線が入っているとリムショット(スネアのヘリをたたく)ということです。それから、バツ印はシンバルですが、シンバルにも種類があります。
五線譜の一番上の線のすぐ上にあるバツ印はハイハットシンバルです。また、そのバツ印の上に白抜きの丸があるとオープンで、十文字があるとクローズということです。
そして、ハイハットシンバルよりさらに上に書かれる下線つきのバツ印はライドシンバルです。その下線つきバツ印の上にアクセント記号(くの字の逆のような印)があるとクラッシュシンバルになります。
ドラム楽譜でビートをつかむ
楽譜を見てドラムセットの何をたたけばいいのかがわかったら、あとはどのような速さでたたくのかを理解しなければなりません。ドラムは曲全体のテンポを決めてバンドをまとめる重要な役割を果たします。
特に初心者は、より正確にビートがきざめるように注意して練習します。ですから、楽譜に書かれているビートを理解することはとても大切です。典型的なリズムは8ビートや16ビートですが、8ビートは8分音符で、16ビートは16分音符で書かれています。
8ビートは1小節を8つの音で(通常はシンバルで)区切れるということですから、一般的にはハイハットシンバルを一小節間に8回たたくように8分音符のバツ印が8つ並んでいます。
そして、そこにバスドラムやスネアが4分音符で入っているのが8ビートの基本になります。ですから、基本の16ビートだと、同じくバスドラムやスネアが4分音符で書かれている上に、ハイハットシンバルのバツ印が16分音符で並んでいることになります。
以上のように、ドラムの楽譜を見ると、ドラムセットのどの楽器をどれくらいの速さでどのようにたたくのかがわかります。
まとめ
楽譜がわかればドラム初心者でも曲がたたける
ドラムセットをイメージして楽譜を見る
表記を覚えてドラムの楽譜をより正しく理解する
ドラム楽譜でビートをつかむ