鉛筆 に含まれる粘土や黒鉛の割合で濃淡や芯のやわらかさがことなっていて多くの種類があります。
デッサン では鉛筆を 使い分け る際に一般的にはやわらかめの芯のBの文字の入った種類のものが選ばれてきました。クロッキー帳の紙や木炭紙との相性がよくじゅうぶんな濃淡とタッチが出るものです。
さまざま表現できる!デッサンでの鉛筆の使い分け
デッサンに使える鉛筆の種類
一般的にデッサンやクロッキーには鉛筆、木炭、パステルなどの画材を用い、それぞれ描写に特徴があります。そのなかでも鉛筆は木炭とくらべて細かく繊細な表現に適した画材といえるでしょう。
鉛筆は種類によって濃さにちがいがあり、淡いものほど芯が硬く9H~H,F,HB,B~6Bの表示で示されます。この中では9Hがもっともうすくかたい芯で、6Bがもっとも濃くやわらかな芯です。
このうちデッサンに使いやすいのはBの表記のついている鉛筆で、なかでも4Bあたりの鉛筆は濃さがじゅうぶんでタッチもなめらかです。
少々力を入れて描いたとしてもほとんど折れませんし、立体を描くうえでだいじな濃淡をグラデーション豊かに多段階で描きわけることができます。いっぽうでHの表記の鉛筆ではじゅうぶんな濃さを得ることが難しいです。
したがって何度がデッサンしてみてもっとも合った濃さの鉛筆を選択します。たとえば繊細な表現の場合には2Bを、より広い面積を描くときは4Bというように使いわけてもいいでしょう。
絵画用の鉛筆の使用
基本的に筆記用の鉛筆でデッサンできますが、画材としてよりよい鉛筆は描画専用に作られたものです。
筆記用とくらべて芯が格段に太いもの、そして1センチ以上の直径の芯だけからなる鉛筆も画材店には用意されています。
これらの絵画用の鉛筆は力の入れ具合や筆致の方向、濃淡に細かく応答し、とりわけなめらかで描写力にすぐれたものです。これらの鉛筆で描いた線は指でこすったり刷毛でなでたりするとぼかしの表現になります。
さらに描いた部分を練り消しゴムやパンなどできれいに消すことができ、鉛筆で描いた一部を消し去り、真っ白なハイライト部分の表現にできます。
手が汚れないで済むように、芯のみからなる鉛筆の場合にはホルダーに入れたり紙やアルミを巻いて使うなどさまざま工夫して用いられています。
このような自在で多岐にわたる絵画表現に画材としての鉛筆は対応するようにとくに念入りに作られています。
デッサンによる鉛筆の使いわけ
力強い線を得たい場合には鉛筆をけずるときに先をとがらせる必要はありません。
むしろ芯の先端部分を丸くすると肉太の力強く太い線がたやすく得られるはずです。繊細で微妙なエッチングのような表現にしたい場合には細くとがらせます。
もっとも繊細な部分を表現するには、イーゼルと床とのあいだに椀枕などを渡して腕を支えつつ線を描くとよいでしょう。
広い面積を均一に描きたい場合には親指と人差し指でかるく鉛筆をつまむように寝かせて力を抜いて描きますし、ぎゃくに繊細な表現をする場合には文字を書くように立て気味に使うとよいでしょう。
木炭で描いた場合ほどではありませんが、鉛筆で描いた部分が紙から脱落しないようにフィキサチーフをスプレーして紙に固定させます。粉末を含むこのフィキサチーフをスプレーすると描いた部分をコーティングされて落ちません。
注意しないといけないのはスプレーしてすぐに紙の表面をさわらないことです。紙に鉛筆で描いたときにはエタノール系のフィキサチーフを利用します。石油系のものは鉛筆と紙の場合には使いません。
描き慣れてくるとメーカーによって鉛筆の書き味が異なることに気づきます。自分に合った筆致の鉛筆をみつけていくといいです。
まとめ
さまざま表現できる!デッサンでの鉛筆の使い分け
デッサンに使える鉛筆の種類
絵画用の鉛筆の使用