多くの企業が、簿記検定の資格取得を社員に奨励しています。また現在、短大や大学の推薦入試や単位認定の基準として採用しているということもあります。
では約25,000人が年間で受験する 簿記 の 1級 というのは、どのような資格試験なのでしょうか。その点についてご紹介します。
簿記の1級というのは、どのような資格試験なのか!
簿記とは
企業規模の業種や大小、業態を問わず簿記は仕事上必要なもので、日々の経営活動を計算や記録、整理することです。そして簿記をすることで財政状態や経営成績などを明らかにすることができます。
簿記の資格は、会計知識として企業の経理事務などに必要になるだけでなく、基礎的な経営管理や分析力、財務諸表を読む力なども理解できるようになります。
またコストを意識した仕事はビジネスの基本となりますが、そのようなコスト感覚も身につきます。さらに取引先の経営状況なども把握できるため経理担当者だけでなく一般的な社会人にも役立つ資格です。
税理士や公認会計士等の国家資格を目指す方やキャリアアップを他の資格と組み合わせて考慮している方には、必須の資格となります。
簿記1級のレベルとは
簿記1級のレベルは、税理士や公認会計士などの国家資格への登竜門とも言えるものです。
日商簿記1級の場合の合格率は、約10%と言われています。そして日商簿記の2級では、合格率は約30%、3級の合格率は約40%となっています。簿記1級の場合は、圧倒的にレベルが高く合格するのは難しいのです。
内容としても商業簿記の極めて高度なものや工業簿記、会計学、原価計算を修得する必要があります。また企業会計に関する財務諸表等の規則や会計基準、会社法などの法規を基にした経営分析や経営管理ができる力を有するものです。
簿記1級の資格試験の内容は
試験科目は、商業簿記と会計学で試験時間が90分、工業簿記と原価計算で90分となります。途中で休憩があります。そして合格基準は、70%以上ですが、1科目ごとの得点は、40%以上取れていないといけません。
商業簿記では、企業外部との取引に関係する販売活動や購買活動などの記録や計算をする技能をみます。経営管理者や取引先、出資者等の企業を取り巻く関係者に対して、適切で正確な決算書を作成して報告を行うために必要な能力と成ります。
また工業簿記では、経営管理に必須の企業内部での製品別や部門別の人力や材料、燃料などの資源の投入を計算、記録する技能や知識を評価します。
出題は、毎年4月1日現在で施行されている法令などに準拠しています。
試験の申し込み方法としては、受験希望地の商工会議所に申し込みます。商工会議所ごとに申込の受付日時や受付方法などが異なりますので、試験日の約2か月前頃に問い合わせてください。
簿記1級に合格するには
日商簿記1級の合格率は、上述しましたが約10%です。しかしこのうちの3.5%分は会計士の受験生で、4.5%分が税理士受験の受験資格が占めていると推定されます。さまざまな資格を得ようとする受験生が合格しているのです。
そのため簿記1級の合格を純粋に目指している受験生としての合格率は、実質的には2%になります。このような数値をみると実質的に難易度は、極めて高いものに思えますが、しっかりとやるべき勉強をやっていけば合格できる試験です。
日商簿記1級の試験は、傾斜配点が合格率を安定させるためにおこなわれています。しかし建前としては、絶対評価とされているのです。この傾斜配点が実施される理由としては、正解率が比較的高かった問題の部分配点を上げるというもので調整されています。
このことから合格するためには、比較的正確率が高い多くの人が正解できるような問題をしっかりと解答できる力をつけておくことです。
過去の正解率の高い問題などの類似問題も出題されますので、そのような内容を調べて確実に答えられるようにすると合格率が高くなります。
合格者の特典とは
簿記の 1級に合格すると税理士試験の受験資格が与えられることになります。また職業能力開発促進法の指導員になる資格試験では、試験科目である事務科の一部が免除されるという特典もあります。さらに大学の推薦入学の際にも有利です。
まとめ
簿記の1級というのは、どのような資格試験なのか!
簿記とは
簿記1級のレベルとは
簿記1級の資格試験の内容は
簿記1級に合格するには
合格者の特典とは