ダンサーのテクニックはさることながら、バレエといえば衣装も見所です。あこがれの衣装をきっかけにバレエを習いはじめる方も少なくありません。絢爛豪華な衣装は見ているだけでも楽しいものですが、由来を知るとさらに楽しめます。
バレエ の 衣装 についてご紹介します。
知って楽しい!バレエの衣装
チュチュとは?
バレエというと誰もが思い浮かべるのは女性ダンサーの腰から広がる、張りのあるスカートです。このスカートのことをチュチュといいます。
ちなみに、「チュチュ」というのは「お尻」という意味です。もともとはスカートではなくスカートの下に履くペチコートをさす単語でした。19世紀前後に生まれたと言われています。
「ロマンティック・チュチュ」と「クラシック・チュチュ」
大きくわけて「ロマンティック・チュチュ」と「クラシック・チュチュ」の二つのタイプがあります。
「ロマンティック・チュチュ」はスカートのように膝やくるぶしまで丈がある比較的長めのチュチュです。『ラ・シルフィード』や『ジゼル』のように、幻想的でエキゾチックなロマンティック・バレエでよく使われるチュチュです。
19世紀に初めに考案されたのはこちらの「ロマンチック・チュチュ」でした。
一方で、「クラシック・チュチュ」は、ダンサーの脚がよく見える水平方向に張りのあるチュチュをさします。『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』など、誰もが思い浮かべる古典的な作品でよく使われています。
「クラシック・チュチュ」のなかでも特に平たくまっすぐ広がる衣装は「パンケーキ・チュチュ」と呼ばれ、固さを保つためにワイヤーが入っています。
また、ワイヤーが入っておらず、パンケーキ・チュチュより少し長めのタイプのチュチュは「ベル・チュチュ」と呼ばれています。
あこがれのトゥーシューズ
バレリーナといえば、チュチュと並んで特徴的なのが爪先立ちで立つためのトゥーシューズと呼ばれる靴です。この靴で爪先立ちすることをポワントと言います。「バレエシューズ」と混同されがちですが、トゥーシューズとバレエシューズは別物です。
バレエシューズは練習用の布や革でできた柔らかい靴です。それに対して、トゥーシューズは爪先部分が固めてある固い靴です。また、トゥーシューズを履くためには、正しいテクニックと全身の筋力が必要です。
成長過程の子どもや初心者が履くと体を痛めてしまうため、鍛錬のすえに履くことができるあこがれの靴と言えるでしょう。トゥーシューズは、ほぼ手仕事で作られているため、自分に合ったトゥーシューズを探すことはバレエダンサーにとって一苦労です。
メーカーによっては安定した品質を保つために、成型済みのパーツを埋め込んで作る場合もあります。
バレエの衣装の歴史
なぜバレエの衣装は、お姫様のように豪華で装飾的なのでしょうか?そのヒントは、バレエが生まれたルネサンス期のイタリア・メディチ家で行われた舞踏会にあります。
当時のバレエは舞踏会で披露されており、衣装に重点が置かれていました。華やかな装いで来賓の貴族や王族を驚かせ、貴族の権力をアピールするのが狙いです。
こうしたイタリアでの華麗な晩餐会はフランスの貴族達にも伝わりました。毎日開かれる贅沢なバレエ晩餐会が引き金となって財政を圧迫し、フランス革命が起きたとも言われています。
フランス革命がおきてから、バレエは権力をしめすためのものから、踊りの芸術性を求めるものへと変化していきます。宮殿ではなく、劇場で上演されるものになると衣装も変化があらわれます。
貴族達が宮殿のバルコニーから眺めていたのに対し、劇場では観客の目線が足元に注がれます。
そのため、もともとは長かったスカートが爪先の見える「ロマンティック・チュチュ」に変わります。そして、技術が複雑になるにつれてさらに短い「クラシック・チュチュ」が考案されていったのです。
まとめ
知って楽しい!バレエの衣装
チュチュとは?
「ロマンティック・チュチュ」と「クラシック・チュチュ」
あこがれのトゥーシューズ
バレエの衣装の歴史